【平屋29.5坪・2LDK(将来3LDK)】コの字で中庭を囲み、分譲地でも外からの視線を気にせず暮らす住まい

光は取り込みたい。外とのつながりもほしい。でも、隣の家や道路からの視線は気になる。

分譲地で家を建てるとき、多くの方が悩むのがこの「開きたいけれど、見られたくない」という問題です。大きな窓をつくっても、結局カーテンを閉めたまま暮らしている、という話も少なくありません。

今回ご紹介するのは、その悩みに対して建物をコの字型にして中庭を囲むことで答えた平屋です。

89坪の分譲地に、延床29.5坪の2LDK(将来3LDK)を計画しました。建物は約10.9m角のコンパクトな正方形の中に、約20帖のLDK、6帖の寝室、将来2室に分けられる洋室、4.5帖のWIC、2.5帖のパントリーをまとめています。

この記事では、コの字型にした理由、中庭とウッドデッキの使い方、分譲地での視線の整理の仕方、将来3LDKにするための準備まで、設計の考え方とあわせて解説します。

目次

この間取りの前提条件

  • 家族構成:夫婦+子ども2人想定
  • 敷地面積:89坪(分譲地)
  • 道路:北道路
  • 階数:平屋
  • 間取り:2LDK(将来3LDK)
  • 延床面積:29.5坪(97.71㎡)
  • 建物の大きさ:約10.9m×10.9m
  • LDK:約20帖
  • 寝室:6帖
  • 洋室:10.5帖(将来5.25帖×2)
  • 水廻り:洗面・脱衣室3帖、浴室(1621)、トイレ2か所
  • 主な収納:WIC 4.5帖、パントリー2.5帖、土間収納1.5帖
  • 外部:中庭(L字のウッドデッキ)、駐車4台

30坪を切る平屋で、4人家族が暮らせる広さと、外の居場所の両方を確保すること。限られた面積の中で、それを両立させるための形がコの字型でした。

間取りの全体像

北側の道路に面して4台分の駐車スペースを並べ、その中央からアプローチを通って玄関へ入る構成です。玄関の両側にはトイレと土間収納を配置し、土間収納の隣には2.5帖のパントリーを設けています。

玄関ホールから見て左側が個室のゾーンです。4.5帖のWIC、将来2室に分けられる10.5帖の洋室、6帖の寝室を縦に並べています。

右側は約20帖のLDK。キッチンとダイニングを横並びにし、その先にリビングを配置しています。

中央には洗面・脱衣室と浴室をまとめ、その南側にL字のウッドデッキを敷いた中庭を設けました。個室のゾーンとLDKが中庭を両側から挟み、建物全体でコの字に中庭を囲む形です。

コの字型で中庭を囲む理由

分譲地では、隣の家との距離が近くなりやすく、窓をどこに設けるかが暮らしやすさを大きく左右します。

外に向かって大きな窓をつくると、明るさは得られても、隣の家や道路から室内が見えやすくなります。結果としてカーテンを閉めたままになり、せっかくの窓が活かされないこともあります。

そこで本計画では、建物そのもので中庭を囲み、主な窓を中庭に向けています。外に対しては閉じ、内側に対して開く。こうすることで、カーテンを開けたまま光と緑を感じられる居場所をつくっています。

中庭は、LDK、寝室側の個室ゾーン、浴室の3方向から囲まれているため、家のどこにいても中庭の気配を感じられます。

中庭は「見る庭」ではなく「過ごす庭」

中庭にはL字のウッドデッキを敷き、植栽を添えています。

眺めるだけの庭ではなく、暮らしの延長として使える場所にすることを大切にしました。

  • 天気の良い日に外で食事をする
  • 子どもが遊ぶ様子をLDKから見守る
  • 洗濯物や布団を干す
  • ゆったり座って過ごす

LDKはウッドデッキに面していて、窓を開ければ室内と外をひと続きの空間として使えます。29.5坪の平屋でも、中庭を部屋の延長として使うことで、面積以上の広がりを感じられます。

分譲地でもプライバシーを確保する配置

分譲地では、周囲の家がどこに建つかを事前にすべて把握できない場合もあります。そのため、窓の向きを外ではなく中庭に向けることで、周囲の建ち方に左右されにくい計画としています。

道路側には駐車スペースと玄関、トイレ、収納をまとめ、道路から室内が直接見えにくい構成です。LDKや寝室の大きな窓は中庭側に設け、外からの視線を気にせずに過ごせるようにしています。

約20帖のLDKとキッチンまわり

LDKは約20帖。キッチンとダイニングテーブルを横並びにし、配膳や片付けの動きを短くしています。

キッチンの背面側には収納を設け、玄関側には2.5帖のパントリーを配置。買い物から帰ってきたとき、玄関から食品をしまうまでの移動も短くできます。

リビングは中庭に面した位置にあり、ソファに座ったまま中庭とウッドデッキを眺められます。

将来3LDKにできる洋室

洋室は現在10.5帖の一室として計画し、将来は5.25帖×2室に分けられるようにしています。

お子様が小さいうちはきょうだいで遊べる広い部屋に。個室が必要になったら間仕切り壁を設け、3LDKとして使えます。

将来分ける部屋では、次の準備が重要です。

  • それぞれの部屋に出入口と窓を確保する
  • 照明・スイッチ・コンセントを分けて計画する
  • エアコンの設置位置を用意する
  • 間仕切り壁を設ける位置に下地を入れておく
  • ベッドと机を置いた後の通路幅を確認する

水廻りを中央にまとめる

洗面・脱衣室と浴室は、建物の中央にまとめています。個室のゾーンからもLDKからも近く、どちらからも使いやすい位置です。

トイレは玄関横と洗面・脱衣室の2か所に設け、朝の身支度や来客時にも使いやすくしています。

水廻りを一か所に集めることで配管も整理しやすくなり、メンテナンスの面でも有利です。

この間取りの暮らしやすいポイント

  • コの字型で中庭を囲み、外からの視線を気にせず過ごせる
  • 中庭のウッドデッキを、食事や遊び、物干しなど暮らしの延長として使える
  • 約20帖のLDKが中庭とつながり、面積以上の広がりを感じられる
  • キッチンとダイニングが横並びで、配膳や片付けがしやすい
  • 玄関近くのパントリーと土間収納で、買い物の荷物や外の道具をしまいやすい
  • 洋室を将来2室に分け、家族の成長に対応できる
  • 水廻りが中央にまとまり、どの部屋からも使いやすい
  • トイレが2か所ある

注意点・デメリット

中庭は外周が長くなり、建築費に影響する

中庭を囲む形は、単純な四角形と比べて外壁の量が増えるため、建築費や断熱性能に影響する場合があります。

中庭の排水と手入れを考える必要がある

雨水の排水計画や、落ち葉の掃除、ウッドデッキのメンテナンスも暮らしの一部になります。素材選びや植栽の量も含めて検討が必要です。

外への眺望は限られる

外に対して閉じる計画のため、遠くの景色を眺めるような開放感は得にくくなります。周囲に眺めの良い方向がある敷地では、別の考え方が合う場合もあります。

将来分けた洋室はコンパクトになる

10.5帖を2室に分けると、1室あたり5.25帖です。ベッド、机、収納の配置を事前に確認しておくことが大切です。

この間取りが合う人

  • 分譲地で、外からの視線を気にせず暮らしたい方
  • カーテンを開けたまま、自然光を感じながら過ごしたい方
  • 中庭やウッドデッキで過ごす時間を楽しみたい方
  • 30坪前後のコンパクトな平屋で4人家族が暮らしたい方
  • 子ども部屋を成長に合わせて変えたい方

この間取りが合わない可能性がある人

  • 建築費をできるだけ抑えたい方
  • 庭やウッドデッキの手入れに時間をかけたくない方
  • 遠くの景色を室内から眺めたい方
  • 子ども部屋を最初から広い個室にしたい方

似た条件で考えられる代替案

L字型にして庭を2方向から囲む

コの字ではなくL字型にすると、外周を短くしながら庭を2方向から囲めます。ただし、囲われていない側からの視線への配慮が必要です。

塀や植栽で庭を囲む

建物は四角くまとめ、塀や植栽で庭を囲う方法もあります。建築費を抑えやすい一方、塀の高さや圧迫感に注意が必要です。

高窓で光を取り入れる

中庭を設けず、高い位置の窓から光を取り入れる方法もあります。視線を避けながら明るさを確保できますが、外とのつながりは弱くなります。

よくある質問

Q1.中庭のある平屋は30坪以下でもつくれますか?

本計画のように、建物の中にコンパクトに中庭を組み込めば可能です。中庭を設ける分、各部屋の面積配分を工夫する必要があります。

Q2.中庭は暗くなりませんか?

中庭の大きさや周囲の建物の高さによって明るさは変わります。本計画では中庭を南側に開くことで、光を取り込みやすくしています。

Q3.分譲地で、周りの家が建つ前に間取りを決めても大丈夫ですか?

周囲の建ち方を完全に予測することは難しいため、窓を中庭に向けるなど、周囲に左右されにくい計画にしておくと安心です。

Q4.ウッドデッキのメンテナンスは大変ですか?

素材によって異なります。天然木は定期的な塗装が必要な場合があり、樹脂製のデッキは手入れの手間を減らせます。

まとめ

今回の住まいは、89坪の分譲地に計画した、延床29.5坪の2LDK(将来3LDK)の平屋です。

建物をコの字型にして中庭を囲み、主な窓を中庭に向けることで、外からの視線を気にせず、カーテンを開けたまま光と緑を感じられる暮らしをつくっています。

中庭のウッドデッキは、食事や遊び、物干しにも使える「過ごす庭」。約20帖のLDKとつながり、29.5坪の平屋でも面積以上の広がりを感じられます。

外に閉じて、内にひらく。分譲地でも安心して外とつながれる平屋の提案です。

※本記事は一つの設計例です。敷地条件、法規、構造、周辺環境、家族の暮らし方により適切な計画は異なります。

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