【平屋29.5坪・2LDK(将来3LDK)】ガレージ横の玄関と勾配天井のⅡ型キッチン|174坪・西道路で車と暮らす平屋

174坪の敷地に計画した平屋29.5坪の配置図兼平面図。建物の西側に車2台分のガレージ、中央に勾配天井のLDK21帖とⅡ型キッチン、東側に将来2室に分けられる洋室・WIC・主寝室・水廻り、南側にタイルデッキと庭スペース、敷地の南にご実家

車を2台、3台と持つご家庭では、駐車場から玄関までの距離が毎日の小さなストレスになりがちです。雨の日に買い物袋とお子様を抱えて車から玄関まで走る。冬の朝に凍った車の窓を溶かす。こうした場面は、ガレージと玄関の位置関係ひとつで大きく変わります。

今回ご紹介するのは、174坪の広い敷地に計画した延床29.5坪の平屋です。建物の西側に車2台分のガレージを組み合わせ、ガレージのすぐ横に玄関を配置しています。室内は、三角屋根の形をそのまま生かした勾配天井のLDKを中心に、まっすぐな廊下で各室をつないだシンプルな構成です。

この記事では、ガレージと玄関の関係、勾配天井とⅡ型キッチンのLDK、直線的な廊下の考え方、将来3LDKにするための準備、そしてガレージのある平屋の注意点まで解説します。

目次

この間取りの前提条件

  • 敷地面積:174坪
  • 敷地条件:西道路、敷地の南側にご実家
  • 階数:平屋
  • 間取り:2LDK(将来3LDK)+ガレージ
  • 延床面積:29.5坪
  • 建物外形:東西約15.47m×南北約6.37m
  • LDK:21帖(勾配天井)
  • キッチン:Ⅱ型(コンロ側の壁付けカウンター+シンク付きのカウンター)
  • 個室:主寝室6帖、洋室9帖(4.5帖×2に将来間仕切り)
  • 収納:WIC3帖、シューズクローク、下足入れ、パントリー2帖、カウンター収納
  • 水廻り:脱衣室3帖(作業台付き)、浴室(1616サイズ)、独立した洗面台、トイレ
  • 外部:ガレージ2台分、屋外の駐車スペース、タイルデッキ、庭スペース

29.5坪という平屋としては標準的な広さの中に、21帖のLDKと、将来2室に分けられる9帖の洋室を確保しています。ガレージは建物の西側に組み合わせ、住まいとは別の外部空間として計画しています。

広い敷地での配置の考え方

174坪の敷地に対して、建物は東西に細長く、奥行き6.37mと浅い形にしています。建物を敷地の北寄りに置き、南側に庭スペースを広く残す配置です。奥行きの浅い平屋は、ほぼすべての部屋が南か北の外壁に面するため、どの部屋にも窓を設けやすく、風も抜けやすくなります。

敷地の西側は駐車のためのエリアです。ガレージに2台、その西側に屋外で2台、さらに南側の広い部分にも車を描いており、車の切り返しを示す矢印も書き込んでいます。来客や将来の車の台数の増加にも対応できる余裕を持たせた計画です。

敷地の南側にはご実家があり、図面には「水道実家より延長」との書き込みがあります。庭スペースはご実家と向き合う位置にあり、建物を北に寄せたことで、両家の間にゆとりのある外部空間が生まれています。駐車エリアと庭スペースの間には植栽と区切りの線を描いており、車の動くエリアと、子どもが遊んだり庭いじりをしたりするエリアを分けています。

ガレージと玄関を隣り合わせにする

この住まいで最も特徴的なのが、ガレージと玄関の関係です。ガレージは建物の西側に接しており、玄関はガレージに面した西側の壁に設けています。車を降りてから玄関までの距離がほとんどなく、雨の日でも濡れにくい動線です。

玄関には式台と下足入れ、シューズクローク(SC)を配置しています。シューズクロークにはベビーカーや外遊びの道具、車で使う物などをしまえます。玄関ホールの北側にも収納があり、上着やバッグを玄関で掛けてからLDKに入れます。ホールからLDKに入るとすぐ北側にパントリーがあり、ガレージから玄関、パントリー、キッチンへと、買い物の荷物を短い距離で運べる構成です。

ガレージの一般的なメリットは、雨や雪から車を守れること、夏の車内温度の上昇や冬の霜を抑えられること、そして洗車や趣味の作業場所としても使えることです。ただし、建物と一体または近接したガレージでは、排気ガスやにおいが室内に入らないよう、出入口の扉や換気の計画に注意が必要です。また、エンジン音やシャッターの開閉音が寝室に響かないよう、ガレージの近くには寝室を置かないのが一般的な考え方です。この計画でも、寝室はガレージと反対の東側にまとめています。

三角屋根を生かした勾配天井のLDK

LDKは21帖です。図面にはLDKの北側と南側に「勾配天井」と矢印で示しており、三角屋根の形をそのまま室内に表した天井となっています。天井は中央に向かって高くなり、平屋でありながら縦方向にゆとりのある空間です。

勾配天井は、天井裏の空間を室内に取り込むことで、床面積を増やさずに開放感をつくる方法です。一方で、空間の容積が大きくなるため、冷暖房の能力や位置、屋根の断熱性能を合わせて検討する必要があります。暖かい空気は天井の高い部分にたまりやすいので、シーリングファンなどで空気を循環させる工夫も有効です。高い位置の照明や窓は、掃除や電球交換の方法も考えておくと安心です。

リビングはLDKの南側にソファを置き、西側の壁には造作のカウンター(テレビボードなどを想定)を描いています。LDKの南側には窓が並び、その先のタイルデッキへとつながっています。タイルデッキは植栽と組み合わせて計画し、室内から外への視線の抜けをつくっています。

視線が抜けるⅡ型キッチン

キッチンはⅡ型です。北側の壁沿いにコンロのあるカウンター(図面上の長さ2,700mm)、その手前にシンクを備えた長さ1,800mmのカウンターを並べ、シンク側のカウンターにはダイニングテーブルを直接つなげています。

Ⅱ型キッチンは、振り向くだけでコンロとシンクを行き来できるため、調理の移動が少なくなります。コンロを壁側に寄せているので、レンジフードがLDKの中央に浮かぶことがなく、勾配天井の伸びやかさを遮りません。シンク側は手元を隠しやすい高さにでき、LDK全体を見渡しながら作業できます。

一般的に、Ⅱ型キッチンの2列の間の通路は、一人で使うなら90cm前後、二人で使うなら100〜120cm程度が目安とされます。狭すぎると振り向いたときにぶつかり、広すぎると移動の歩数が増えるため、使う人数に合わせて寸法を決めることが大切です。

コンロ側カウンターの東側には、木の天板を描いたカウンター収納が続いています。家電の置き場や、配膳前の仮置き、ちょっとした書きものにも使える場所です。冷蔵庫はパントリー側に置くため、LDKから家電の存在感を抑えられます。

クランクしない、まっすぐな廊下

LDKの東側には、建物を東西に貫く幅910mmの廊下を設けています。廊下の北側にWIC3帖、トイレ、洋室9帖、南側に脱衣室3帖、洗面台、浴室、主寝室6帖が並びます。

廊下を途中で曲げず、まっすぐに通しているのがポイントです。廊下が何度も折れ曲がる間取りでは、角ごとに視線が遮られ、実際の距離以上に遠く感じたり、家具の搬入がしにくくなったりします。直線の廊下なら、LDKから東端の部屋まで見通せ、移動もスムーズです。一方で、廊下そのものは通路以外に使いにくい面積になります。この計画では、廊下に面して洗面台を置き、通路の途中で手洗いや歯みがきができるようにしています。

仮に、廊下を設けずにLDKから各室へ直接出入りする構成にすると、廊下の面積は減らせます。ただし、寝室や水廻りへの出入りがLDKの中を通ることになり、来客時や家族の生活時間が違うときに気を遣う場面が増えます。この計画では、LDKと個室の間に廊下を挟むことで、にぎやかな場所と静かな場所を分けています。

水廻りと収納の配置

脱衣室3帖には洗濯機と作業台を設けています。洗濯物をたたむ、アイロンをかけるといった作業を脱衣室で済ませられ、廊下の向かいにあるWICへすぐにしまえます。洗面台を脱衣室とは別に廊下側へ独立させているので、誰かが入浴中でも、ほかの家族が気兼ねなく手洗いや身支度ができます。

WICは廊下に面した位置にあり、家族の衣類をまとめてしまえる広さです。主寝室の脇にもクローゼットを設けており、寝室まわりの衣類と、家族全体の衣類を分けて管理できます。収納を玄関、パントリー、カウンター、WIC、寝室と使う場所ごとに分散させることで、物を取りに行く移動を短くしています。

9帖の洋室を将来2室に分ける

東側の北寄りにある洋室は、4.5帖の部屋を2つ並べた9帖の一室です。図面の真ん中には「将来間仕切り」と書いており、お子様が小さいうちは広い一室として、成長に合わせて4.5帖×2室に分けられる計画です。分割後の3LDKでは、主寝室6帖と子ども部屋4.5帖×2という構成になります。

図面では、それぞれの部屋に廊下からの出入口を描いており、分割した後もそれぞれ独立して使えるようにしています。将来分ける部屋では、照明、コンセント、スイッチ、エアコンの位置を2室分準備しておき、間仕切り壁の位置に下地を入れておくと、後の工事がしやすくなります。

4.5帖はベッドと机を置くと余裕の少ない広さです。収納は各室に設けるのか、廊下向かいのWICを共有するのかによって、部屋の使い方が変わります。

注意点・デメリット

ガレージは費用と面積がかかる

屋根と壁のあるガレージは、カーポートと比べて工事費が高くなりやすく、固定資産税の対象となる場合もあります。また、建物とつながる形では、防火や換気の検討も必要です。

トイレは1か所

図面上、トイレは廊下沿いの1か所です。3LDKにして4人家族で暮らす場合、朝の時間帯には混み合う可能性があります。

東西に長い建物は端の部屋が遠い

建物の東西が約15.5mあるため、ガレージ側の玄関から東端の主寝室や洋室までは距離があります。直線の廊下で見通しをよくしていますが、移動の距離そのものは短くなりません。

勾配天井は空調とメンテナンスの検討が必要

空間の容積が増えるため、冷暖房機器の能力と配置、屋根の断熱性能が快適性に大きく影響します。高所の照明や窓の清掃方法も確認しておきます。

似た条件で考えられるアレンジ案

ガレージをカーポートにする

費用を抑えたい場合は、壁のないカーポートにする方法があります。雨よけの効果は得られますが、横からの雨風や雪、防犯面ではガレージに劣ります。

ガレージから直接室内に入れる土間をつくる

ガレージとシューズクロークを扉でつなげば、外に出ずに車から室内へ入れます。より便利になる一方で、排気ガスやにおい、防火区画の考え方を確認する必要があります。

最初から3LDKにする

子ども部屋を早くから個室として使う場合は、最初から間仕切り壁を設ける方法もあります。後の工事は不要になりますが、広い一室として使う時期はなくなります。

この間取りが合う方

  • 車を複数台持ち、ガレージのある平屋を検討している方
  • 雨の日でも濡れずに車と玄関を行き来したい方
  • 平屋でも勾配天井で開放感のあるLDKがほしい方
  • Ⅱ型キッチンで効率よく料理をしたい方
  • LDKと個室を廊下で分け、シンプルな動線で暮らしたい方
  • 子ども部屋を将来分けられるようにしておきたい方
  • ご実家の近くで、広い庭のある暮らしをしたい方

この間取りが合わない可能性がある方

  • ガレージの費用を他の部分に回したい方
  • トイレを2か所確保したい方
  • 子ども部屋を最初から広い個室にしたい方
  • 家の中の移動距離をできるだけ短くしたい方

まとめ

今回の住まいは、174坪の敷地に計画した、延床29.5坪の2LDK(将来3LDK)+ガレージの平屋です。

建物の西側にガレージを組み合わせ、そのすぐ横に玄関を設けることで、雨の日でも車と家を行き来しやすくしています。室内は、三角屋根を生かした勾配天井の21帖のLDKとⅡ型キッチンを中心に、まっすぐな廊下で水廻りと個室をつなぎました。9帖の洋室は将来2室に分けられ、家族の成長に合わせて3LDKにできます。

一方で、ガレージの費用、トイレが1か所であること、東西に長い建物の移動距離、勾配天井の空調といった注意点もあります。車との暮らしと、平屋ののびやかさを両立させたい方に向けた住まいです。

※本記事は一つの設計例です。敷地条件、法規、構造、周辺環境、家族の暮らし方により適切な計画は異なります。

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